エレベーターを選定するポイント
⑴ 建築区分 マシンルームレス・エレベーター 特徴 機械室のない昇降路だけのエレベーター
メリット
  • 巻上機または油圧ユニット、ならびに制御盤がエレベーター昇降路内に設置されているタイプで、建物の高さ制限、日照権などの影響がなく、建物の設計自由度が高まる
機械室ありのエレベーター 特徴 巻上機あるいは油圧ユニット、ならびに制御盤などを設置する機械室を別に備えたタイプ
メリット
  • エレベーターの構造上、最も無理のかからないシンプルなエレベーター
  • 維持管理が簡単で、機械的に消耗劣化の速度が遅い
⑵ 用途 人荷用エレベーター 特徴 人の移動および荷物の移動用のエレベーター
荷物用エレベーター 特徴 荷物運搬用に限定されたエレベーターで、荷扱い者のみ搭乗が認められているもの
自動車用エレベーター 特徴 荷物用エレベーターに分類され、自動車用に特化した、省スペースで安全性の高いエレベーター

なお、機械室の有無により仕様が異なる

  • マシンルームレス……かご天井、かご扉の設置が義務化
  • 機械室あり……かご天井、かご扉なくても可
⑶ 駆動方式 ロープ式 特徴 かごとカウンターウェイトの重量をバランスさせ巻上機で効率よく駆動させるエレベーターで最も基本的なタイプ
  • 構造が簡単で、昇降距離が長く、高速運転が可能なため、低層から高層建物まで幅広く設置が可能
  • ロープ式エレベーターの駆動は、交流インバータにより巻上機のモーター回転数を制御することで行われる
油圧ダブルダイレクトプランジャー方式 特徴 油圧ジャッキ内のプランジャーにかごを直結し、駆動を行うタイプ
  • 低層建物に適している
  • 建物上部への荷重がまったくかからない
  • 新設はもちろん既設建物への設置に適している
油圧サイドプランジャー方式 特徴 油圧ジャッキ内のプランジャーの動きを、ロープを介して間接的にかごに伝え、駆動を行うタイプ
  • 中低層建物に適している
⑷ 運転方式 シングルオートマチック方式(荷物用標準) 特徴 荷物用としてもっとも一般的な方式
  • 乗場操作盤の『呼』ボタンを押してエレベーターを呼び、荷物を積み込んで目的階へ直行する。使用中は他階の『呼』に応答しない。
シングルコレクチブ方式 特徴 乗場操作盤の『呼』ボタンを押してエレベーターを呼び、荷物を積み込んで目的階へ行く。使用中でも他階の『呼』に応答し、呼ばれた階全てに停止する。またシングルオートマチックと異なり『呼』を登録できます。
*乗場操作盤での行き先方向の選択は、できません。
セレクチブコレクチブ方式(人荷用標準) 特徴 使用中でも他階で△▽ボタンが押された場合に行先が同一方向の場合に応答し、呼び階に停止する。人の移動と荷物の運搬など同時に使用できる乗合全自動方式。
相互階制御方式 特徴 荷物だけを送りたい場合の方式
  • エレベーター内に運転者または荷扱者が乗込む必要がなく、乗場に設けられた行先階ボタンを押すことにより、荷物の運搬が無人で行える方式
  • シングルオートマチック方式の乗場操作盤に専用操作盤を付加することで機能追加が可能で、行先階登録はひとつ
チャート図

機構概略図

機構概略図